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ひろしまオペラルネッサンス「カルメル会修道女の対話」@アステールプラザ大ホール8/29(日)[2]  [鑑賞]

今回観て聴いたオペラは
ほとんどのヒトが一度は考えたことがある
” 死ぬことの恐怖 ” について
それと同時に
たったひとつしかないかけがえのない命を
翻弄させることもある
” 純粋な思わくが巻起こした恐怖 ”
の、ようなものについても考えさせられたひとときでした

主要な役を演じ歌う出演者の方々が
それぞれのキャラクターを明確に
演じきっておられたのはもちろんですが

その他大勢のほとんどの出演者の方々にも細やかな
キャラクターの性格付けがあったように感じられて
その演技がしっかり客席に伝わってきたので
このオペラの内容の奥深さを始終楽しむことができました

そして音楽は
掴みどころのないフランス音楽独特の
響きを感じながらも
うわべだけのものではない ” 意志 ” のようなものも
同時に感じ取ることができて
それが嬉しくて、そしてたいへん感動しました

ずっとライヴで聴きたかった「カルメル会修道女の対話」を
初めて観劇したのが
あの日、ひろしまで聴いて素晴らしかった・・・と
ずっと後になっても思いおこすことができるくらい
いい演奏でいい舞台だったと思います


このオペラの主人公になっている女性像は
元々の原作者(ル・フォール)が
” 自分自身の中で芽生え始めていた不安や
恐怖を具現化して生まれたもの ” と
後の手記に記しています

この原作を元に脚本を書いた
G.ベルナノスは病で自身の死期が
近づいていることを感じているさなかに
この小説の存在を知り感銘を受け
精力的に脚本を書き上げたのだそうです

そしてこの脚本を元にオペラを作曲した
F.プーランクは脚本の中の主人公は
” 自分自身の姿だ ” と言い
死の恐怖と向き合いながら
取り憑かれたかのように作曲していたそうです

” 死 ” はたった一回だけ
みんなに平等にやってくるもの
生まれながらに宗教が身近にある
文化圏の人たちもやっぱり怖いのだ
(もちろん、わたしも・・・[あせあせ(飛び散る汗)]
と、認識させられるし
そういう心もちになることの方が
当り前なのだ、と、思います

「カルメル会修道女の対話」は
物語の終盤で
修道女たちが次々とギロチンに処せられ
その模様を容易に連想させる
音楽の響きと旋律が非情で残酷なため
一般の多くの人たちに受け入れられ難く
演奏される機会が少ない演目ですが

避けることのできない死に直面したとき
恐怖をのり越えて死ぬことができるのか
怖い怖いと思いながら死ぬのか
運命を静かに受け入れて死ぬのか
そのような感情すら感じる猶予を与えられず死んでしまうのか・・・

自分の中の節目節目で
繰り返し観劇したいと思える演目のひとつです




ひろしまオペラルネッサンス
「カルメル会修道女の対話」@アステールプラザ大ホール8/29(日)
全3幕/フランス語上演(字幕付)
台本:G.ベルナノス   作曲:F.プーランク  
指揮:佐藤正浩   演出:岩田達宗
管弦楽:広島交響楽団

ブランシュ・ド・ラ・フォルス:阿部真理   ド・ラ・フォルス侯爵:安田旺司
騎士フォルス:藤田卓也   ド・クロワッシー修道院長:藤井美雪
メール・マリー:やまもとかよ   コンスタンス修道女:柳 清美
リドワーヌ修道院長:福井優子   マチルド修道女:表 晶子        /他




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オペラを鑑賞した翌日は宮島でのほほんと・・・[ぴかぴか(新しい)]
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PANDA

BRUCE06さま
ご来訪&nice!をいただき
いつもありがとうございます!
by PANDA (2010-09-10 21:42) 

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