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ラ・ジョコンダ@東京文化会館 大ホール(2) [鑑賞]

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4幕仕立てのオペラでした
新鮮に感じたのは
幕が進むにつれてジョコンダの心理や行動に
くっきり焦点が集まるような音楽と舞台構成になっていたことです

うまく表現ができませんが
自然も街もたくさんの人々も映し出されている画面が
徐々にある一点に焦点がしぼられていく感じです
これを舞台で幕の経過と共に照明や舞台装置そして
音楽などで自然に表現されていたように感じました

1幕から2幕の途中までは
物語のポイントになっているヴェネツィアの運河や
海の自然が寄りそうような雰囲気の中に
人間のドラマが乗っかっているように感じましたが
2幕の途中からは
物語と音楽がどんどん人間くさい展開になっていくのです

考えさせられたことは”博愛”と”仁愛”について
ジョコンダという女性の生き方は本人の迷いや
タイミングに運命を左右されていた部分もあったけれど
痛々しいほど”博愛的な”生き方で
この博愛を貫ききれなくて
最期は自殺という結末になったような気がしました

それと比べると
ほかの登場人物たちは自身の都合や願望ばかりの歌詞を
歌い上げていたので、はじめはそれにとても嫌悪を感じながら
観て聴いていたけれど
でも、まず自分が幸せで満たされていなければ
他者に思いやりや愛を注ぐことなんてできないかもしれない・・・と
少し思い直しました

オペラの出来を左右するのは音楽といわれていますが
初めて聴く演目の時は
舞台の演出や演技を観て得られる視覚の情報が
どれだけ大切なものか実感させられます

今回は多様なキャラクターがたくさん登場する
大所帯のオペラでしたが
色んな登場人物たちが混在していながら
美しくてさり気ない舞台だったのが
とても素晴らしいと思いました

観客にとって手堅く、自然に見える舞台ほど
高いレヴェルの演出力や演技力が必要なのだと
わたしは信じています

たとえば
シンプルな料理ほど、大多数に支持されるのは
難しい・・・みたいな。。。(意味不明デスネ・苦笑)

とにかく
劇的なオーケストラの響きやオペラ歌手の説得力ある
美しい歌声を聴きながら、しかも
ドラマの展開まで自然に楽しむことができるなんて
ほんとうに貴重な瞬間に立ち会えたと思います

幸運にも今回は2日間も観せていただける機会にも恵まれました
久し振りに訪れましたが
東京って、やっぱりすごいところですね(笑)


ラ・ジョコンダ
作曲/アミルカーレ・ポンキエッリ
台本/トビオ・ゴッリオ(←アッリーゴ・ボーイトのペンネーム)
指揮/菊池 彦典
演出/岩田 達宗
管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団

ジョコンダ/エリザベート・マトス(1/31)■下原 千恵子(2/1)
 エンツォ/チョン・イグン(1/31) ■笛田 博昭(2/1)
バルナバ/堀内 康雄(1/31) ■牧野 正人(2/2)
 ラウラ/エレナ・カッシアン(1/31)■森山 京子(2/2)   ・・・他


今夜は
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自家製〆鯖
ほうれん草のおひたし など



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